どうして作ったの?

衣笠商店街の仲通り

「三浦一族ゆかりの地」大河ドラマの影響で、三浦一族の武将たちも注目が集まり、三雄堂書店のある、ここ衣笠商店街でも勇ましい武者の絵が施された横断幕が掲げられました。その中の一枚にかわいらしい武者の絵の横断幕があります。

衣笠商店街の九尾の狐

中心に配された動物は「白面金毛」の「九尾の狐」、妖怪なのに、なんともかわいらしいキツネです。「心温まるほっこり妖怪? “とうふ小僧”のような? 衣笠にもそういう言い伝えとか、あったらいいな」と思っていました。

そんな矢先、お客さんを介して、古典や妖怪などにも造詣の深い作家さんが相談にのってくださることになりました。お稲荷さんと妖怪の狐の違いについてなども教えてもらったりしながら、「史料や歴史を大切にしながら、オリジナルの新しいお話を創ってみましょう」ということなりました。

それから数ヶ月後に、「キツネに愛称がつくとよいですね。」と、衣笠のために授けてくださったのが、新しくうまれたお話『不思議なキツネ ○○○のおはなし』です。

文中の登場人物のセリフも小気味良く、読んでいて楽しいおはなしです。「口惜しや、たとえこの身は滅びても、おぬしらを恨む心は滅ばぬぞ!」殺された化け狐の怨念を表した言葉や、「そうかそうか。何もわからぬか。ならば、わしと一緒にくらそう。」生まれ変わった小さいキツネに語りかけるおおすけさんの言葉も、思わず音読したくなりませんか?

キツネの名前が決まったら、ラジオドラマをみんなで作ったり、この物語をもとにして、紙芝居やお芝居などができたらいいなと想像が膨らみます。

九尾の狐と三浦大介義明

ひとりでも多くのみなさんに読んでいただきたいと思い、カットイラストを友人にお願いして描いていただきました。

もしこのお話が、みなさんの新しい興味を見つけるきっかけになったら、とても嬉しいです。

2022年6月11日 三雄堂書店